USBメモリにSteamOSをインストールしてみる


先日のことです。自宅のUbuntu機にSteamのLinuxネイティブクライアントをインストール、Borderlands2かSerious Sam3:BFEのプレイを試みたのですが、残念ながら失敗に終わりました。
その前にはWineでも失敗しているため、現状ではどうしてもやりたい場合はノートPCのWindows8.1機でプレイするしかありません。ただ、我が家のノートPCは元々ネット用として購入しているため、ギリギリプレイできる程度のスペックしかなく到底満足できるものでは無く、ふと思い出したSteamOSに手を出してみることにしました。
ただ既存のUbuntu環境を変更したくないため、ゲームを2〜3本程度インストールできる程度の容量のUSBメモリにSteamOSをインストールしておき、ゲームをする時だけそのUSBメモリをUbuntu機に挿してUSBブートでSteamOSを使うようにしたいと思います。コストパフォーマンス的にはHDDやSSDのほうが良いとは思うのですが、ゲームをする度にbiosをいじったりHDDの切替器を使ったりするのが面倒なので、USBメモリというところに落ち着きました。

SteamOSのインストール先とは別に、SteamOSのインストーラを格納するのに別途2GB以上のUSBメモリ、またはDVDメディアが必要です。また、PC本体がUSBブートに対応している必要がありますので予めご了承ください。

環境紹介

準備にとりかかる前にハード環境を軽く紹介しておきたいと思います。
主な構成は以下のスクリーンショットの通り、CPUは「AMD FX-6100」、GPUは「GeForceGTX750」、メモリは「12GB」、マザーボードは「ASRock 890GX Extreme」、記録媒体として使用したUSBメモリは、128GBのHIDISKのUSB3.0対応USBメモリです。ちなみに、SteamOSのインストールには500GB以上のHDD容量を要求していますが、それを下回っていても極端に容量が少なくなければ普通に(HDDにもUSBメモリにも)インストール可能です。ただあんまり容量が少ないと、ゲームのインストールに支障が出ますので容量選択時はある余裕を持たせるようにしたほうが良いかと思います。
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インストーラの入手

それでは早速準備にとりかかります。まずはSteamOSのインストーラ(SteamOSInstaller.zip)を入手しましょう。
といいつつ、私の環境ではUSBメモリからのSteamOSインストーラの起動がうまく行かなかったため、以下に記載したISOイメージをDVDに焼いてインストールDVDを作成、利用していますので悪しからず。
StesmOSのページにアクセスして一番下までスクロールすると「カスタムインストール」の項がありますので、手順を確認した後「カスタムされたSteamOSベータインストーラをダウンロードする」のリンクをクリックします。
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すると、インストーラのダウンロードページが表示されるので、「By selecting the box to the left you agree to the terms of use.」にチェックを入れ、「Download SteamOS Beta」ボタンをクリックします。
容量的には1.1GB程度のzipファイルですが、私がダウンロードした時は光環境でも30〜40分程度かかりましたので、ダウンロードが完了するまで気長に待ちましょう。
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SteamOSのインストールメディア(USB)作成

ダウンロードが完了するまでの間、SteamOSのインストーラを格納するUSBメモリの準備を行いましょう。
ちなみに、私のメインPCはUbuntuがインストールされているのでその環境を例にすすめますが、Windows環境でも要領は同じです。
というわけで話を戻します。まずは2GB以上のUSBメモリを挿し、FATでフォーマットするためにアクティビティからアプリケーションの一覧を表示させ、「ディスク」を選択します。
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ディスク一覧が表示されたら、USBメモリのドライブを選択して歯車アイコンをクリック、「初期化」を選択します。
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「ボリュームを初期化」ダイアログが表示されたら、下のスクリーンショットのように「既存のデータを上書きしない(クイック)」「全てのシステムおよびデバイスと互換(FAT)」を選択して「初期化」ボタンをクリックします。
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「本当にボリュームを初期化しますか?」と確認メッセージが表示されるので、「初期化」ボタンをクリックします。
初期化が完了すれば、USBメモリの準備は完了です。
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USBメモリの準備ととSteamOSのインストーラ(SteamOSInstaller.zip)のダウンロードが完了したら、zipファイルを解凍します。
すると、「SteamOSInstaller」という名前のフォルダが作成されるので、そのフォルダの中身を全て先ほど初期化したUSBメモリ内にコピーします。
コピーが完了すれば、SteamOSのインストールメディア(USB)の作成完了です。
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SteamOSのISOイメージ入手

先ほど書きましたが、私の環境ではUSBからのSteamOSインストーラ起動は成功しませんでした。調べたところ、http://repo.steampowered.com/download/
にISOイメージが配置されていましたので、ありがたくこちらを利用させていただきました。

インストールを始める前に

それでは準備もほぼ整いましたので、早速インストールに取り掛かりたいところではありますが、その前にトラブルを避けるためにもぜひこれから書くひと手間を実行していただきたいと思います。それは、SteamOSのインストールメディアとインストール先になるUSBメモリ以外の記憶媒体を全てPCから物理的に切り離すことです。めんどくさいと思うかもしれませんが、この一手間を加えることでブートローダの上書きやインストール先の指定ミス等を100%防ぐことができますので、ぜひ実行していただきたいと思います。

SteamOSのインストール

不要な記憶媒体を全て取り外してインストールメディアとインストール先USBメモリを取り付けたら、PCの電源を入れインストーラを起動しましょう。インストーラの作成に成功していれば、以下のようにインストールメニューが表示されます。
ここの選択の推奨は「Automated install(WILL ERASE DISK)」ですが、私の環境ではうまく行きませんでしたので、「Expert install」を選択して進めています。以降はその手順になります。また、スクリーンショットはVirtualBoxのものですのでご了承ください。
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「Expert install」を選択すると、まず言語選択画面が表示されますので、「Japanese」を選択して「Continue」ボタンをクリックします。
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次はロケーションの選択では「日本」を選択して「続ける」ボタンをクリックします。
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続くキーボードの設定も「日本語」を選択して「続ける」ボタンをクリックします。
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ここまで選択するとコンポーネントのロードが始まります。
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ロードが完了するとパーティショニングに移りますが、特にこだわりが無ければ「全てのファイルを1つのパーティションに」のままで良いと思います。ここでも変更しなかったことを前提に「続ける」ボタンをクリックします。
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容量に応じて自動的にパーティションが割り当てられますので、内容を確認したら「続ける」ボタンをクリックします。
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最終確認が済んだら「ディスクに変更を書き込みますか?」と聞いてきますので、「はい」を選択して「続ける」ボタンをクリックします。
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いよいよインストール開始です。
しばらく時間がかかりますので、気長に待ちましょう。ある程度インストールが進むと下のスクリーンショットのようにデスクトップ環境やシステムユーティリティをインストールするかどうか聞いてきます。ここは両方にチェックを入れて「続ける」ボタンをクリックしましょう。
特に理由はありませんが・・・
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さらにインストールが進むと、今度はブートローダのインストールについて確認メッセージが表示されます。今回のように他に記憶媒体が接続されていない場合、以下スクリーンショットのように「マスターブートレコードにGRUBブートローダをインストールしますか?」と聞いてくるので「はい」を選択して「続ける」ボタンをクリックします。
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とりあえずのインストールが完了すると自動的に再起動され、GRUBの画面が表示されますが、放っておけば数秒程で画面が切り替わるので、生暖かい目で見守りましょう。
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こんな感じで自動的にSteamのアップデートが始まれまれば、ここまで順調に進んでいます。
アップデートが完了すると自動的に再起動されるので、このまま待ちましょう。
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Steamのアップデートが完了するとまたも再起動されますが、このタイミングでフリーズしたように見えるかもしれません。ただ、きちんと処理は進んでいますのでぶちっと電源を切らないように注意です。
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さらに、このタイミングでフリーズしているように見えるケースがあるかもしれません。
私の環境ではVirtualBoxでは何の問題が無かったのですが、実機ではここでエラーが発生してGUIの起動が中断されていました。
もしこのタイミングで「フリーズ?」というような状況になったら、「Esc」キーを押してみてください。本当にフリーズしていなければ起動ログが表示されるはずです。
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また、もしrootでCUIのコマンド入力待ち状態で止まっていた場合、もしかしたら「Ctrl + D」キーを押すと処理が進むかもしれません。(もしそれで処理が進むようであれば、下のスクリーンショットのようにカーネルモジュールのビルドが始まるかと思います。)
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これでインストールは完了です。
おそらくBigpictureモードでSteamが起動し、ログイン画面が表示されているかと思います。ちなみに、SteamOSでもSteamガードは有効ですので、初回ログイン時は解除コードが登録してあるメールアドレス宛てに送信されてきます。
なお、デュアルディスプレイでSteamOSを起動すると、2枚のモニタが1枚のモニタとして認識されます。これを変更するには「/etc/X11/xorg.conf」を用意すれば良いのですが、簡単な設置方法がありますので、後ほど紹介したいと思います。

バックアップの取得とリカバリ

やっとインストールが完了しましたが、ISOイメージの入手からここまで体感2〜3時間程度かかっていますので、ゲームの動作確認前にUSBメモリのバックアップを取得しておくと、なにかあった時にまっさらな状態に戻せるので便利です。

Ubuntuの場合、バックアップの取得には以下のようにDDコマンドを使用します。

sudo dd if=「USBメモリのデバイス名」 of=「バックアップファイル名」

例えばUSBメモリのデバイス名が「/dev/sdj」でユーザーディレクトリの直下に「SteamOS.iso」という名前でバックアップファイルを作成したい場合は以下のようになります。

sudo dd if=/dev/sdj of=~/SteamOS.iso

逆にバックアップファイルからリカバリしたい場合は、以下のようにifとofが逆転します。
ここまで済ませておけば、システムが不安定になったり容量がきつくなってきた時にコマンド一発でインストール直後の状態に戻せるので何かと役に立つかと思います。

sudo dd if=~/SteamOS.iso of=/dev/sdj

rootパスワードの設定

SteamOSは元がLinuxのDebianですので、カスタムインストール時にデスクトップ環境もインストールした後、SteamOSの「設定」から「インターフェース」でLinuxデスクトップへのアクセスを有効化にチェックを入れると、SteamOSの終了時にLinuxデスクトップに移行するか聞いてくるようになります。ここでDesktop環境を表示させて端末を開き、「passwd」コマンドを実行すると、rootパスワードを設定することができます。この後記載するSteamOSのデスクトップ環境をカスタマイズするにはこのrpptパスワード設定が必須作業になりますし、sudoコマンドで色々作業する際にも必要ですので、ぜひ設定しておくことをお勧めします。

仮想コンソールの利用

先ほども書きましたがSteamOSの中身はDebianですので、「Ctrl」 + 「Alt」 + 「F1」等で仮想コンソールを利用することができます。ちなみにログインする際はidに「desktop」と入力すれば端末にアクセスすることができます。試してはいませんが、rootパスワード設定後であれば、多分rootでのログインも可能と思われます。

StesmOSのデスクトップ環境カスタマイズ

モニタが1枚であれば、単純にSteamOSの設定を変更すれば良いのですが、デュアルモニタの場合、強制的に2枚のモニタを1枚のモニタとして扱われます。設定項目はありませんので、プライマリモニタの設定や片方のモニタを使わない等変更したい場合は「/etc/X11/xorg.conf」を書く必要がありますが、NVIDIAのグラフィックカードを利用している場合、これを簡単に済ませる方法がありますので、紹介しておきたいと思います。

まずは端末で以下コマンドを実行し、NVIDIAのX Server Settingsをインストールします。

sudo apt-get nvidia-settings

X Server Settingsがインストールされたら、アクティビティ一覧から実行して各項目をカスタマイズしてこれから使いたい設定を完了させます。そして、設定が完了したところで「X Server Display Configuration」から「Save to X Configuration File」ボタンを押し、任意の場所に「xorg.conf」という名前で保存します。
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「xorg.conf」を保存したら、以下コマンドでnautilusをroot権限で実行し、先ほどの「xorg.conf」を「/etc/X11/」以下にカット&ペーストします。これで準備完了ですので、SteamOSを再起動しましょう。再起動後先ほど設定した内容でSteamOSが起動すればOKです。

sudo nautilus

万が一SteamOSの起動に失敗する場合、「Ctrl」 + 「Alt」 + 「F1」等で仮想コンソールにログインし、以下コマンドで「xorg.conf」を削除してあらためてSetamOSを再起動すれば初期状態でSteamOSが起動してきますので、あらためて「xorg.conf」を作成しなおしてみてください。

sudo rm /etc/X11/xorg.conf

ゲームのインストール

ここまでくれば、後はただSteamがBigpictureモードで動作しているだけですので、好きなゲームをインストールしてプレイするだけですね。
私の環境でもとりあえずBorderlands2とSerious Sam3:BFEをインストールしてみましたが、きちんとゲームがプレイ出来ました。SteamOSの対応ゲーム数も1000を超えているようですので、Windows環境が無いユーザーはSteamOSを試してみる価値はあるかと思います。
そうそう、今回使用したUSBメモリはUSB3.0対応だったのですが、マザーボードがUSB3.0に対応していないのでインストールに結構時間がかかってしまいました。いい機会なのでこの機にUSB3.0対応ポートを増やせるのインターフェースカードを買おうかなぁ。


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